WEBデザイナーズNEXT

Webデザイナー

起業して約6年が経ち、一人株式会社になって気づいたこと

カテゴリー:Web制作者コラム
Pocket

一人株式会社

起業してから丸6年ぐらいになりました。
最初は右も左もわからず、いつも何か色々なことに怯えていたような気がします。

この6年色々あったのですが、最終的に一人で会社をやっていくことにしました。そう「一人株式会社」になったんです。

今の心境を忘れない為にも、自分の為に今までの事やこれからの事を少し書いてみようと思います。

スポンサードリンク

会社を立ち上げてから一人になるまでの思いや考え方

自分がまだ未成年だった頃、まさか自分が起業するなんて…まさか自分が社長になるなんて考えてもみませんでした。
どちらかというと自分に自信がなかったし、勉強は嫌いだったし、わりと平凡な人生だったんです。

やりたい事もないし、とりあえず普通にサラリーマンをして月30万円ぐらい稼げればいいなぁ…って思っていました。

自分は本当に運がいいと思ったのですが、就職した会社がベンチャー企業で色々な事をする会社だったんです。

その中で私が出会ったのが「クリエイティブ」でした。

初めてHTMLを触ったときは本当に楽しくて夢中になったのを覚えています。最初はデザインからコーディングを勉強していたのですが、もっともっとやれる事を増やしたいという気持ちからFlashをやってみたり、PHPをやってみたり、JavaScriptをやってみたりしていきました。

とにかく楽しいからという理由で遊び感覚で色々な事を覚えていきました。5年ほどその会社に勤めてから色々あって会社を立ち上げる事になりました。

会社を立ち上げてからすぐに出てきた不安

会社の立ち上げ当初はものすごくバタバタしたので、あまり何も考えませんでした。

「なんとかなるかな」

こんな気持ちだったような気がします。
初めて税理士さんや社労士さんと関わったり、法人登記したり、事務所を借りたり、あれやこれやで大忙しです。

一度経験すると何でもないような作業ですが、当時はわからない事だらけで本当に意味もなく焦っていました。

でもなぜか

「なんとかなるかな」

って思えていたのが不思議です。

…しかし、会社を立ち上げて3ヶ月ぐらいしてから突然大きな「不安」が襲ってきたんです。

「スタッフに給与が支払えない状況になったらどうしよう…」

会社を立ち上げたばかりなのに、いきなりこんな調子です…

特に大きな取り柄がない自分が会社を成功させられる訳がない…みたいなネガティブな考えにどんどんはまっていきました。そのタイミングで4年間禁煙していたタバコを吸い始めてしまいました

結局、会社を立ち上げてから感じていた「不安」はすぐに解消されるものではありませんでした。実は…一人になったすぐ最近までの約6年はずっと「不安」な状態が続いていたんです。

自分が会社の社長?いつまでも続く葛藤

「社長」とか「代表取締役」という肩書きが実はすごく嫌いでした。なんというか響きが偉そう・・・というか。自分に似合わない言葉ナンバーワンだったんです。

名刺を渡せば「あ…社長さんでしたか!」みたいになっちゃうし…。

だから本当に名刺から「代表取締役」という肩書きを消したかったんです。
消そうかなと考えた事もあったのですが、その肩書きが書かれている名刺が必要だった事も多かったので残しましたが…。

この葛藤もしばらく続きました。

自分が制作者として職人みたいな生き方をしようって考えてからは全然気にならなくなった感じですね。不思議なものですよね。

自分が社長の器でないということ

まぁ…自分が社長の器ではないという事なんて、最初からわかっていた事なんです。

でも、社長がそんな事を思っちゃいけない!働いてくれてるスタッフに悪いよ!…という気持ちから自分を洗脳していたと思います。

「自分は社長だ。会社を大きくする事が自分の使命だ。」

…って。

何かと自分を追いつめていた気がします。苦しすぎて吐きながら仕事してた事もあります…。もうすこし気楽に考えられれば、もうちょっと違う経営ができたのかもなぁ…って今は思います。

人を育てられない自分がいること

自分は人を育てる事が本当に得意じゃないと思い知らされました。その理由ははっきりしています。

私は好きでクリエイティブな仕事をしていて、自分の好きなように勉強して、やれる事を沢山増やしていきました。どちらかというと遊び感覚だったし、全部、自発的に行ったものだったんです。

「これを作りたいからこれを勉強してみよう」

それが当たり前だったので、勉強しない人を見るとなんでやらないんだろう?という感覚になってしまうんです。

スキルが上がればやれる事が増えて、結果的に給与(所得)が増えるのに、なぜやらないんだろう?

って考えてしまうんです。

だからといって「死ぬ気で勉強しろ!寝る暇も惜しんで勉強しろ!」なんて経営者は言う事ができません。法的にも大きなリスクがあるし、やる気がない人に言っても意味がないですしね…。

頭の良い経営者なら、「こいつがやる気になる為にはどうすればいいのか?」と考えるのかもしれないですが、私にはその考え方はありませんでした。

「自発的に勉強ができないなら、この人がやれる範囲内の仕事をやってもらおう」

そういう考え方だったんです。そんな事では人が成長する訳はありませんよね。とりあえず難しい仕事をやってもらって、失敗したら自分が責任をとって介入すればよかったんです。

でも、それはかなり余裕のある会社にしかできない事のような気がします。小さな会社では一つのミスが命取りになり、最悪倒産してしまう事だってあり得るんですから…。

今思えばこうしておけばよかったという事は沢山ありますが、スタッフをもっとうまく育ててあげる方法は沢山あったのではないかと思っています。

人付き合いがあまり得意でないということ

かなり致命的な事なのですが、私はどちらかというと引き蘢ってクリエイティブな事をしていたい性格なんです。変な話、1年間外に出なくても平気なタイプだと思います(笑)

会社を立ち上げてから数年はどちらかというと経営をメインでやっていたので、本当に打ち合わせや会食が多かったです。

色々な会社の社長さんと飲みにいって、すごく楽しかったし、得るものも多かったのですが、話をすればするほど劣等感が出てきてしまうんですよね…。

「みんなすごいなぁ…それに比べて自分は…」

うーん。本当にこう考えるとネガティブな思考だったなぁって思います。

会社の形を大きく変更し、最終的に一人株式会社へ

それから色々あって、会社の形を大きく変更する事になりました。

私が一番やりたかった「クリエイティブ」メインの会社にしたんです。とにかく必死に色々な会社さんに営業をして、コツコツと実績を積み重ねる事ができました。

数年すると色々な会社さんから認めてもらえて、仕事に困る事はなくなりました。
その辺りから自分に自信がついてきたので、この先は自分の好きなクリエイティブな事を仕事にしていこうって思うようになりました。

ただ、制作というのは基本的には個人プレーな事が多く、最初から最後まで一人で完結できてしまう事が多いんです。もちろん、システム会社さんや他のデザイン会社さんと一緒に進める案件も多いのですが、それはあくまで他社との関係な訳です。

会社の内部で考えると、個人個人が別の案件をやっている事が多いんですよね。Web制作の現場はそういう意味でいうと孤独なんじゃないかと私は思います。

…まぁそれから色々とあって最後に一緒にいたスタッフと離れる事になり、最終的には一人で会社をやっていく事になりました。

最終的に一人の会社になって思った事

一人になったのは本当に最近の事なので、まだまだこれから思う事はあると思いますが、とりあえず現状で思った事をまとめてみました。

一人でなんでもできると勘違いしていたと改めて気がつく

最後のスタッフと別れ、一人になる時は本当に不安でした。
最後に一緒に仕事をしていたスタッフはすごく自分を信頼してくれていたし、何があってもついてきてくれていたので…。
なんとか守ってあげたいと思っていたのですが、自分の弱いメンタル的にもう限界だったんだと思います。

そのスタッフとはいつかまた一緒に仕事ができるような形をなんとか作りたいと思っています。自分の一方的な気持ちですがね…。

スタッフが一人でもいた時は「経営者」という肩書きに縛られていて、とにかく悩みが多かったです。
でも、一人になってからは気持ちが大きく変わりました。

まぁ俺って制作の仕事ができるし、メディアの運営もしてるし、一人なら全然生きていけるぜ〜…なんていう気持ちになっていました…。

でも、実際に私以外のスタッフが色々な事をやってくれていた事にすごく気がつきました。
実際、一人になってから自分でやらなければならない事が増えたし、とにかくドタバタ…。

事務所を自宅に引っ越し、会社の登記変更、各種住所変更、それと同時に売上も作らなきゃいけないし…。2ヶ月ぐらいは作業も多いし、メンタル的にも本当にバタバタしていました。

最近、ようやくちょっと落ちついてきたかな〜。
これからはなんでも一人でやらなきゃいけないんだ!気合いを入れ直さなきゃ!って気持ちです。

沢山の方達に気をかけてもらえている事

一人になった事をお世話になった会社さんに伝え、今までなかなかできなかった「人に会う」ということをしました。

お世話になった会社さんや、自分が好きなクリエイターさん、今まで会いたいけど忙しいという言い訳で会っていなかった人、など。とにかく会いたいと思っていた方達に会う事ができました。

まだ、お会いできてない方もいますが、これからも積極的に色々な人と会いたいなぁと思っています。
様々な会社さんから「仕事の依頼」を頂いたり、これから自分がやっていきたい事への相談もさせてもらいました。

「すごくありがたい」

これが素直な気持ちです。本当に色々な方から支えられていると感じました。

一人体制というのは今まで経験した事がないから、また一から構築していこうと思っています。
自分の気持ちとしてはこれから会社を大きくしていく事は考えず、一人でやっていく事を決意していますが、お世話になった方達や気にかけてくれている方達になんとか恩返しができるような仕事をしていきたいと思っています。

今まで関わってくれたスタッフに感謝をしているという事

会社を立ち上げてから多いときでスタッフが何人も入ったり辞めていったりしていきました。
どこかでこのサイトを見てしまう方もいるかもしれないので多くは語りませんが、本音で言える事は一つだけです。

「すべての元スタッフに感謝している」

これは綺麗ごとでも何でもなく本音です。会社から辞めていった事を恨んだりしている事なんて一切ないんですよね。

今すぐとは言えないですが、またいつか会って、当時の事を聞いてみたいなって思っています。

これからやりたい事が多すぎるが、確実にやっていく

とにかく、昔から私はアレコレやってみたい人なんです。
アプリをやりたいと思えば、自分でアプリを沢山作ってリリースした時期もありますし、LINEスタンプを作ってリリースした事もあります。SEOを一から勉強したいと思えば、サイトを10サイト立ち上げてガンガンアクセスを上げ、ゲームサイトを作りたいと思えば、ゲームも全部自分で作っちゃう酔狂っぷりです。

これからもやりたい事が本当に沢山あります。その中でも特にこだわって行きたいのは以下3つです。

「どこかのだれか」が楽しんでもらえるようなメディアを作る

メディアの運営にすごく力を入れようと思っています。これは今後会社として続けるとしても、会社を閉めたとしても、必ず一生やっていこうと思っています。一生かけてコツコツと面白いものを作っていきたいです。

自分が今まで手に入れたスキルや、これから手に入れるべきスキルがあれば必ず成功すると確信しています。

クライアントに心の底から喜んでもらえるWebサイト制作をする

Webサイトの受注はこれまでもやってきたのですが、気持ちの面では大きな変化があります。
数ヶ月前まではとにかく受けられるものはすべて受けて、倒れるくらい案件をこなしていましたが、その分、雑になってしまった仕事もありました。

しかし、それは制作者としてあってはならないと反省しています。

これからは自分のキャパと相談をして、断る決断もしていこうと思っています。

一つ一つの案件をしっかりこなし、今までよりももっと丁寧に誠実に仕事をしていきたいと思っています。
ガムシャラに案件をこなしてきた時より売上は下がってしまうかもしれませんが、自分の納得がいく仕事をしていきたいです。

制作者としての幅を広げる

自称なんでも屋という割に弱点があったりします。それは、特化している人に負けている事です。
私はWebデザインの領域以外にも仕事としてPHPやJSを書く事もありますし、イラストを描いたり動画の編集をしたりもします。

でも、PHP(mysql)やJavascriptはプログラマー程できないし、イラストレーターよりイラストは描けないし、動画の編集もプロには負けます。

他社さんには「なんでも屋」として認知されつつありますが、私が目指すのは「真のなんでも屋」なんです。
ただのWebデザイナーではなく、その一歩先を目指したいんです。すべてのクリエイティブのスキルを最大限にまで引き上げたいんです。

だからこのサイトは「WEBデザイナーズNEXT」なんですよね。このサイトの名に負けないように制作者の幅をどんどん広げていきたいと思います。

長々と書いてしまいましたが、最後はうまくまとまったかな(笑)

スポンサードリンク

Pocket

カテゴリー:Web制作者コラム
WEBデザイナーズNEXT TOP